スマホ決済は使い始めると便利なので使えるところではだいたいスマホ決済をするようになります。
また、店舗側でもスマホ決済に対応しているところが増えてきており、需要と供給の相互作用でさらに普及が加速しています。
新型コロナウイルス感染症の拡大以降、できるだけ現金の受け渡しをしたくないという意識が高まったのもまた普及を後押ししているでしょう。
しかし、今は○○Payが乱立していてどれを選べばいいのか迷う状態。
でも今後はそんな悩みも解消されるかもしれません。
政府が推進する統一規格「JPQR」
コンビニなどが比較的スムーズにスマホ決済に対応できたのは、バーコード読み取り機能付きのPOSレジを導入していたからです。
POSレジというのはホストシステムとネットワークでつながったレジ端末がデータを読み取って、ホストに設定された金額などを元に計算ができるというレジ。
ただ、すでにPOSレジを導入していても、ハンディのバーコードリーダーを装備していなかったスーパー、スタンドアローンの機械式レジを置いている商店、そもそもレジを使っていなかった店などでは、顧客側のバーコードやQRコードを読み取って決算することはできませんでした。
そこで用意されているのが、顧客側がアプリで店舗側のQRコードをスキャンしてから金額を打ち込んで決算するシステムです。
この方式だと最小限の設備投資でスマホ決済に対応できます。
ただ問題は、各スマホ決済によってQRコードの規格が違うということ。
店舗側がスキャンできるスタイルなら複数のスマホ決済に対応できても、客側にQRコードをスキャンしてもらう場合は、それぞれの決済ごとのQRコードを用意するというのは現実的ではありません。
現在PayPayが一人勝ち状態になっているのも、店舗にQRコードのステッカーを置いてもらって導入の費用を格安にしているからです。
PayPayのQRコードを置いている店は、わざわざ複数のQRコードを置くということはまずしません。
ただ、これでは店舗側も顧客側も選択できる決済方式が狭められてしまいます。
そこで、政府総務省が推進してきたのが、スマホ決済の統一QRコード規格「JPQR」です。
4月27日から全国普及へ
実はJPQRはすでに昨年から一部の県(岩手県、長野県、栃木県、和歌山県、福岡県)で実用化検証が行われてきています。
この検証では、auPAY、Origami Pay、J-Coin Pay、d払い、メルペイ、ゆうちょPay、YOKA!Pay、LINE Payの8つのスマホ決済事業者がJPQR規格に登録しています。
国内5県で検証が行われてきたJPQRは、4月27日から全国で本格的に運用されることになりました。
すでに登録している8つの事業者のうちOrigami Payは4月28日でサービスが停止してしまいますが、他の7つの事業者に加え、今年7月にはPayPay、10月にはファミペイ、そしてまだ明確な時期は不明ながら楽天ペイもJPQR規格に対応することが決まっています。
JPQRのQRコードが普及すれば、統一規格のQRコード一つ置いてあるだけで登録している業者のスマホ決済がどれでも使えることになります。
これは、店舗側だけでなく顧客側の利便性も大きく高まることになり、スマホ決済はより普及していくことになるでしょう。
また、政府主導の統一規格が運用されることで、現在のPayPay一人勝ちが緩和されることになるかもしれません。