キャッシュレス決済を普及させるなら情強だけ相手にしていたらダメ

オトナライフという情報系サイトに「アンケート方法の落とし穴? キャッシュレス決済は本当に全世代に普及しているのか」という興味深い記事が掲載されました。

キャッシュレス決済に関する情報として、高齢者にもキャッシュレス決済が浸透してきているというアンケート結果に疑問を投げかけるというものです。

記事では、キャッシュレス決済の普及率などを調べるアンケートはwebアンケートで行われており、webアンケートに回答するような高齢者ならスマホ決済などの利用に対するハードルも低いはず。

だからwebアンケートによる結果で高齢者のキャッシュレス決済普及率が高くなっているのはあてにならないというような指摘をしています。

これには私も同感です。

日本ではキャッシュレス決済はまだまだ普及していない

私は6月まで首都圏に住んでいて、現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で栃木県の実家に戻ってきています。

その間、キャッシュレス決済関連のニュースでは感染拡大の影響でキャッシュレス決済の普及が進んでいると言われてきました。

まず実感として、首都圏で暮らしているころもキャッシュレス決済の普及は感じられませんでした。

スーパーやコンビニのレジに並んでいれば、前の数人がどんな決済方法を使っているかわかります。

比較的高齢者が多いスーパーは、キャッシュレス決済の利用者が少ないのは当然として、比較的若年層が多いコンビニでも、スマホ決済やクレジットカードを利用している人の割合は多くなかったです。

その傾向は栃木県に戻ってきてからは顕著に感じられます。

栃木県の地方都市は首都圏とは比べ物にならないレベルで高齢者が多いです。

スマホ決済やクレジットカードを使えるスーパー、ドラッグストアなどでも私以外にキャッシュレス決済を利用している人はめったに見かけません。

現金決済へのこだわりが強いというよりは、キャッシュレス決済という概念そのものを理解していない高齢者が多いように思います。

さらに、栃木県の地方都市は首都圏と比べてキャッシュレス決済対応店舗も少ないです。

全国規模のコンビニやドラッグストアのチェーン店は別として、スマホ決済を使える飲食店を探すのに苦労しなかった首都圏に対し、PayPayどころか交通系ICカードすら使えない飲食店が多いです。

街そのものがキャッシュレス決済への受け入れ体制ができていないと言えるでしょう。

これでは利用者側の普及率が高まるはずはありません。

こういう問題は私が住んでいる地域だけでなく、全国の地方都市に偏在しているものだと思います。

情報弱者にこそ普及策を進めるべき

かつて中国が共産国にもかかわらず資本主義を取り入れ「社会主義的市場経済」を始めたとき、鄧小平は「先富起来」と言いました。

まず富めるものから富んでいき、その富が社会全体に広まればいいという考えです。

その結果生まれたのは貧富の格差でした。

富を得られる人が富を得て、貧しい人は貧しいままでした。

今の日本のキャッシュレス決済もそれに近い側面があります。

スマホ決済を日常的に利用している人、どんな決済方法が得なのか自分で調べられる人は勝手に調べて利用しているし、ネットやスマホに縁がないような高齢者はまったく利用していない。

キャッシュレスポイント還元事業も、マイナスポイントも、実際のところそれほどキャッシュレス決済の普及にはつながらず、自分で情報を集めて実行する能力がある人が得をしただけです。

情報弱者が損をするのは自業自得だと言う人もいるでしょう。確かにその通りです。

IT社会になって久しいのにITを利用しないで損をしているのは自業自得でしょう。

そうやって切り捨てていても、世代が進めば世代的情弱は減っていくかもしれません。

でもそうした自然な新陳代謝に期待していたら普及率が高まるのにどれだけの時間が必要かわかりません。

もちろん、我々一般消費者が、わざわざ情報弱者のためになにかをしてあげる必要はないです。

考えなければならないのは、キャッシュレス決済を普及させたい政府のほう。

これまで行われてきたような、キャッシュレス決済のほうが還元があって得だよというやり方ではダメです。

なぜなら、そもそもキャッシュレス決済の意味すらわかっていない層がいるのだから。

政府は、まずキャッシュレス決済とはなんなのかという、我々からしたら「そこからか」と言いたくなるレベルから周知をはかっていかなければ、日本はいつまでたってもキャッシュレス後進国のままでしょう。

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