2020年3月現在、都内のコンビニやドラッグストアで買い物していても、スマホ決済を利用している人はそれほどいないなと感じます。
使ってみるとこんなに便利なものはないのに、なんでみんなわざわざ現金で払っているのだろうと不思議です。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-27/PZFWE1T0AFB601
このグラフを見ると、2017年の時点でキャッシュレス決済の普及率は21.3%。
キャッスレス元年とも言われる昨年時点でのデータは見つかりませんでしたが、この伸び率にキャッシュレス決済による還元という要素を加味して考えても、まだ30%には届いていないんじゃないかなと推測できます。
キャッシュレス決済すべてひっくるめてまだ30%になるかならないかという状態ですから、その中でスマホ決済を利用している人の割合はさらに減るということ。
10人のうち3人に満たない割合で、レジに並んでいる人のうちの1人は私ですから、割合としてもう1人いるかどうかということになります。そりゃほとんど見かけないはずです。
でも逆に、それはこれからスマホ決済を利用する人が増える伸びしろが大きいということでもあります。
スマホ決済利用者は急増中
今現在(2020年3月)では、それほど実感できないスマホ決済の普及率。
でも、利用者は確実に増えています。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/00299/
このグラフは日経XTRENDの記事「QR決済は1年で10倍に 1万人調査で分かった脱現金の進捗度」に掲載されていたもの。
まず最初に勘違いしてはいけないのは、これはキャッシュレス決済をしている人の中でどんな決済方法を利用しているかについての調査であるということ。いまだキャッシュレス決済を利用していない70%ほどの国民の数は入っていません。
やはり歴史があるクレジットカードが強いことがわかります。
2018年から2019年の間に流通系電子マネーの伸び率が32.5%というのはちょっと意外でした。
流通系電子マネーというのはWAONやnanacoなど特定のグループ内で使える電子マネーですね。
スーパーではいちいちチャージして使うより、クレジットカードで支払ったほうが手っ取り早いので私は利用していません。
でも、その地域で特定のスーパーなどを利用している主婦層への訴求力は高いのかもしれません。
伸び幅2位は、2018年に2.0%だったのが1年で20.8%になったQRコード決済。つまりスマホ決済です。
12.8%とすでにある程度の普及があった流通系電子マネーが伸びたのと、ほとんど普及していなかったスマホ決済がこれだけ伸びたのとでは意味が違います。
勢いはスマホ決済のほうにあると見ていいのではないかと思います。
スマホ決済はpaypayが一人勝ち?
これだけスマホの普及率が高い日本で、スマホ決済の利用者はまだ少ないのは、あまりに種類が多すぎてどれを使えばいいのかわからないと迷っている人が多いからではないかと思います。
全部数えたわけではないけれど、スマホ決済だけで現状20種類以上はあります。
ただ、シェアで見ると使うべきスマホ決済をある程度絞り込めます。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-27/PZFWE1T0AFB601
これはMMD研究所の調査によるスマホ決済のシェア率。
PayPayが46.7%とほぼ半数を占めています。
ついで楽天ペイ、d払いが10%以上と健闘。
LINE Pay、au PAY、メルペイ、ファミペイは10%以下。つまり100人中10人も使っていない。
1%以下のものに至っては逆になんでそれを選んだと聞きたいレベルです。
この状況がしばらく続けば、下位のものは淘汰され、おのずと趨勢が決まるはずです。
ということで、このグラフの上位7つに絞って、簡単に比較をしていこうと思います。
PayPay
PayPayは、ソフトバンクとYahoo!の合弁によるPayPay株式会社が提供しているスマホ決済です。
スマホ決済利用者の50%に迫る普及率は、ユーザーに対するキャンペーンだけではなく、店舗に対する積極的な導入拡大にもあると思われます。
コンビニ、ドラッグストアはもちろんのこと、小規模なスーパーや飲食店でもPayPayだけは使えるというところも多いです。
使えるコンビニ:7社
使えるスーパー:33社
使えるドラッグストア:24社
使える飲食チェーン:36社
使える家電量販店:14社
支払い方法:PayPay残高(プリペイド)、クレジットカード、銀行引き落とし
ポイント付与:あり(Yahoo!ショッピングの利用でのみ)
PayPayの魅力は使える場所が多いということ。
シェア拡大に向けたキャンペーンが多く打ち出されているということです。
支払い方法も選べるのでこれからスマホ決済を始めるという人にもおすすめ。
とりあえずPayPayのアプリを入れておいて損はないでしょう。
楽天ペイ
楽天ペイは楽天グループが提供しているスマホ決済です。
PayPayにだいぶ引き離されているとはいえ、スマホ決済の中では第2位に位置する普及率。
使えば楽天スーパーポイントがたまり、また期間限定の楽天スーパーポイントも支払いに使えるという点は非常に魅力です。
使えるコンビニ:7社
使えるスーパー:12社
使えるドラッグストア:38社
使える飲食チェーン:32社
使える家電量販店:12社
支払い方法:楽天キャッシュ(プリペイド)、クレジットカード、銀行引き落とし(デビットカードを登録した場合)
ポイント付与:あり
楽天ペイはPayPayに比べて使える場所が少ないです。
ドラッグストアには強いものの、マツモトキヨシは未対応(2020年3月時点)。
使えるスーパーマーケットチェーンも少ないです。
ただ、これまで楽天市場内でしか使えなかった楽天スーパーポイントの期間限定ポイントも、外での買い物に利用できるようになったのは大きいです。
楽天ポイントをためている人、楽天グループのサービスをよく利用している人にはおすすめ。
ただしPayPayも併用しておいたほうがいいと思います。
d払い
d払いはNTTドコモが提供しているスマホ決済です。
ドコモユーザーの場合、ドコモの利用料金とd払い利用料金を合算で支払うことができます。
ただ、利用できる店舗はほぼPayPayとかぶっているので、ドコモユーザーでなければわざわざ選択する意味はないと思います。
使えるコンビニ:6社
使えるスーパー:6社
使えるドラッグストア:40社
使える家電量販店:7社
支払い方法:プリペイド、クレジットカード
ポイント付与:あり
d払いはドコモユーザー以外でも使うことは可能です。
でもやっぱりドコモユーザーへのサービスという側面が強いように思えます。
dポイントをためている人にはおすすめのスマホ決済です。
LINE Pay
LINE PayはSNSのLINEを運営しているLINE株式会社が提供しているスマホ決済です。
特別なアプリを使わなくても、LINEのアプリさえ利用していればすぐ登録して使えるというお手軽さが魅力です。
LINE Payを使えば、LINEでつながっている友達同士で簡単に割り勘ができたりもします。
使えるコンビニ:6社
使えるスーパー:5社
使えるドラッグストア:27社
使える飲食チェーン:20社
使える家電量販店:10社
支払い方法:プリペイド、クレジットカード
ポイント付与:あり
LINE Payは対応している店が少ないのはネックですが、PayPay、楽天ペイなど大手が使えない(2020年3月時点)成城石井やスターバックスなどが対応しているなど、侮れないところがあります。
LINEはスマホユーザーにとって標準装備になりつつあるし、専用アプリも必要ないので、登録しておいて損はないと思います。
au PAY
au PAYはケータイキャリアのauを運営しているKDDIが提供しているスマホ決済です。
3月に「毎週10億円還元キャンペーン」を打ち出し、勝負に出たことで注目されました。
使えるコンビニ:6社
使えるスーパー:2社
使えるドラッグストア:10社
使える飲食チェーン:10社
使える家電量販店:12社
支払い方法:au WALLET 残高(プリペイド)
ポイント付与:あり
au PAYは、auユーザー向けのプリペイド電子マネーサービス・au WALLETを引き継いでコード決済にしたものです。
これまでau WALLETを使ってきたユーザーがそのまま使えるシステムになっています。
しかし、今のところ支払額が直接クレジットカード払いになるシステムはないようです(クレジットカードからのチャージは可能)。
d払いのようにauのケータイ利用料金とまとめて払うということもできないようなので、旧au WALLETユーザー以外が新規に利用する意味はあまりないように思います。
メルペイ
メルペイは、フリマアプリ・メルカリを運営している株式会社メルカリが提供しているスマホ決済です。
最大50%ポイント還元になるキャンペーン「メルペイフィーバー」などを行っていますが、今ひとつ注目されていません。
LINE payと同様決算用の特別なアプリは不要で、メルカリのアプリさえあれば使えるので、メルカリユーザーには便利です。
使えるコンビニ:3社
使えるスーパー:2社
使えるドラッグストア:6社
使える飲食チェーン:4社
使える家電量販店:4社
支払い方法:プリペイド
ポイント付与:あり
メルペイ最大のポイントはメルカリでの売上金をそのまま使えるということ。
メルカリでの収入がある人には便利な決算方法です。
ただ、それ以外ではあえてメルペイを選ぶ意味はないように思います。
ファミペイ
ファミペイはコンビニチェーンのファミリーマートが提供しているスマホ決済です。
サービス開始時点で躓いて自爆したセブンイレブンのセブンペイと比べると、スマホ決済の世界でかなり検討しているといえます。
ただ、使えるのはファミマだけなのでファミマをよく利用するという人以外にはあまりおすすめできないです。
使えるコンビニ:ファミリーマート
支払い方法:プリペイド
ポイント付与:あり
これからスマホ決済を始めるならPayPayは必須
これからスマホ決済を始めるという人は、まずPayPayを選んでおけば間違いありません。
PayPayをメインとして、楽天スーパーポイントを集めているなら楽天ペイ、ドコモユーザーならd払いなど、よく使うサービスに合わせてサブのスマホ決済を併用するというのが、今現在で一番現実的な選択肢ではないかと思います。